お知らせ

第26回 ビジネスセミナー「“荒波”に翻弄される海上物流 最新事情」を開催

開催報告
国際ビジネスセンター主催 第26回 ビジネスセミナー
『“荒波”に翻弄される海上物流 最新事情』を開催

 当センターでは、2022年5月19日(木) 14:00~16:00、名古屋キャンパスにて第26回ビジネスセミナーを開催しました。
 講師に日本海事新聞社編集部部長の幡野武彦氏をお招きし、コロナ禍で混乱が続く海運事情に加え、ウクライナ情勢によってどのような影響が起こっているのか、またコンテナ輸送で影響力のある中国の役割など、わかりやすく講演していただきました。

<講師>
 幡野武彦氏:日本海事新聞社 編集部部長

<概要>
 講演では、まず国際海上コンテナ輸送の概要について、その歴史と種類、船社について確認した。次にコロナ禍での海運市況について過去十年のコンテナ運賃の変遷について言及がなされた。コンテナ運賃はコロナ以前では過去一貫して1,000ポイント前後で推移していたが、2020年初頭より急激に上昇し一時は5,000ポイントにまで達していたことが指摘された(現在は4,500ポイント前後)。市況が高騰した背景には、荷動きの急増という需要の増加とコロナ禍で陸路の人員スタッフ不足による供給側の能力低下の側面が同時に現れるという内陸混乱にあった。内陸側では内陸鉄道RAMPでの引取り遅延やシャーシとラッカーの不足、コンテナの搬出入の停滞でアジアに空コンテナが戻らないという状況にあった。2022年以降の海上物流の見通しとしては、依然として需給のアンバランスは続く。ウクライナの影響によりコンテナ運賃は軟化し、資源価格やインフレ、燃料費上昇などが懸念されるが、日本にとってはあくまでも間接的なものに留まると思われるが、上海のロックダウンの影響は少なくない。現状での需給バランスは稼働率100%前後であり、一時140%にまで上昇した時と比べるとマシになっているが、今後ロックダウンが解除された場合、上海近郊での製造業の動きが再稼働し、需要が急増することが予想され、企業はそうした近い将来の動きへの対応・準備が急務となっている。またアメリカ西海岸労使交渉の行方も大きなキーポイントとなる。
 2022年、荷動きは一定の成長が見込まれるが、船腹増加は23年以降も過剰な期待は禁物である。そのため物流の複線化や冗長化、短縮化などサプライチェーンの見直しが必要となる。

               
               

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