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学長室だより

学長のことば

2018年度学位記授与式・学長告示

告辞
(2018年度卒業式)

この度、学部、短期大学部の卒業を迎えられる学生の皆さん、そして大学院、専門職大学院を修了された皆さんには大学を代表して心からお祝いを申し上げます。また皆さんのご家族、ご親族の皆様にもお祝い申し上げますとともに、これまでの大学に対するご理解とご協力に御礼申し上げます。卒業生の皆さんがそれぞれの学生生活のなかで多くのことを学び、多くの仲間や教職員と交流してきた経験は、皆さんの貴重な財産となるに違いありません。そして皆さんが、これから新たな社会のなかで活躍し、豊かで充実した人生を送って頂きたいと強く願っています。それは本学の教職員にとってもこの上もない喜びとするところです。
これから皆さんが直面するであろう未来社会については、さまざまな表現で言われています。グローバル化が進んだ社会、ソサエティ5.0、第4次産業革命の到来する社会、人生100年時代を迎える社会、人口減少と少子高齢化の社会などです。ある調査研究によれば、将来日本人が働いている仕事の約半分近くが人工知能やロボットに代替される可能性があると指摘されています。こうした変化の激しい社会で求められる能力とは何でしょうか。専門的な知識やスキルは、生産性の向上やイノベーションを起こすうえで不可欠です。専門的な知識やスキルは絶えず進歩、変化しているので、再学習しないとすぐに陳腐化してしまいます。その点では社会の変化や分野の違いにも対応できる汎用的な能力も必要です。例えば、自分の頭でものごとの意味を考え、判断し、表現する能力です。社会における問題を見つけ出し、問題が生じている理由や、その意味あいやメカニズムを論理的に説明し、その説明が正しいかどうかを確認、実証し、そうして問題を解決するという能力です。
 もうひとつは、社会の多様性に柔軟に対応し、さまざまな人々とともに仕事をし、協力し成果をあげていく能力です。これからますます多様性が増すグローバル化社会において
社会的文化的背景や価値観の異なる人々と共に働き、協力し、生活する能力が求められます。そのためには日本人としての自覚を持つことと同時に相手の立場を理解し、思いやりの気持ちや寛容な心、そしてコミュニケーション能力が必要です。
 皆さんは大学や社会的な活動のなかでこうした能力を身につけたと言えるでしょうか。みずから問いかけてみてください。以下、大学での学修成果について皆さん自身の回答を
ここで紹介します。
学生の学修成果については、大学は2012年度から毎年、卒業年次の学生へのアンケート調査を実施しています。皆さんに対する今回(2018年度)のアンケート調査の途中結果(今年3月1日現在時点、回答数936 人、回答率38%)では、各設問および回答者が学修成果として能力を身に着けることができたとの肯定的な回答比率は以下のとおりです。
1 愛知大学の建学の精神への理解を深めることができましたか。63%
2仲間と積極的にコミュニケーションをとり、チームで協力して物事に取り組む力を身
につけることができましたか。81% 
3筋道を立てて物事を考え、課題を解決する能力を身につけることができましたか。84% 
4 幅広い教養、豊かな人間性および社会的倫理観を身につけることができましたか。85% 
5 社会の諸事象について主体的かつ総合的に判断できる能力を身につけることができま
したか。77%
一部の項目を除き、回答した学生の8割前後が上記の学修成果の項目について肯定的に評価しています。しかも各項目に対する肯定的回答の比率は昨年の最終結果に比べて2ポイントから最大6ポイントも高くなっており、総じてこれまでの調査結果データのなかでは最も高い水準を示しています。大学での学修成果について学生の皆さん自身が概ね高く評価している点は大学教育の担当者として喜ばしく思います。学生の主観的な評価が向上したことの要因や背景の分析は教員側および企業側からの評価と合わせて今後検討してみたいと考えます。
 他方で、皆さんが身につけた能力は十分であるとは必ずしもいえません。皆さんは今後、
大学で身に着けた能力をベースにして仕事等のなかで絶えず学習し、能力をさらに伸ばしていくことが求められます。したがって、生涯学び続けるという自覚をもってほしいと思います。皆さんは愛知大学で学んだこと、愛知大学の卒業生であることに誇りをもち、新たな人生のステージで活躍されることを切に期待しています。本日のご卒業と新たな門出に対して改めてお祝い申し上げて告辞といたします。


2019年3月20日、23日
愛知大学学長  川井伸一