【関連書籍】『東亜同文書院大陸大旅行秘話』(滬友会、1991年10月)

  本書は、東亜同文書院が実施していた中国を中心とするアジアでのフィールワークいわゆる「大旅行」についての貴重な記録を、東亜同文書院同窓会滬友会がまとめたものです。
 
 中国上海にあった東亜同文書院は一風変わったおもしろい学校であった。その学生気質、伝統は一種独特なものがあった。……建学の精神は、中国伝統の精神教育を重視し、東亜同文化の中国保全の主旨に則り、日中提携の基礎となる人材を育成するにあった。……この学風を築いた根津院長は、書院三年間の勉学の成果を学生が自分で確かめると共に、大陸での社会生活に入る準備として、卒業期に大陸内地大旅行を取り入れ、その見聞録をもって卒業論文とした偉大な先駆者でもあった。学生にとっては一生の思い出となった尊い人生体験であり、旅行によって中国人の人情風俗を知り、困苦欠乏に耐える自信を得ることができた。明治四十年(1907年)第五期が八班に分かれて大旅行を始めてから綿々第四十期生まで、内陸の平原山岳を渡り歩き、長江を溯り雲貴四川の奥地に迷い、ときに土匪の襲撃に遭い軍閥の抗争に巻きこまれ、ときに激しい排日抗日の嵐の中を出入りして綴った大旅行誌には、若者の見聞を通して、時の流れと共に移り変わる日中の時代精神、大陸の都市、農村、辺境における民衆の生活、人情、風俗の一斑が躍如として現れている。…(東亜同文書院第二十八期生(株)丸誠会長庄子勇之助「序にかえて」より)
 
目次
序にかえて
第一章 朔北行
第二章 興安嶺を越えて
第三章 太行の月に騎す
第四章 青海行
第五章 蜀漢の旅
第六章 同庭湖揺月
第七章 秦山蜀水を渉る
第八章 黔蜀の地を思うて
第九章 匪徒に囚われて
第十章 ?粤縦走記
第十一章 雲南高原を征く
第十二章 南溟行
解説 東亜同文書院大学第四十期生日野晃
地名補注
 
発行:社団法人滬友会
企画・制作:東亜同文書院90周年記念刊行委員会
発行日:1991年10月22日
(私版)
 

 


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