【1/21開催】国際シンポジウム「東亜同文書院卒業生たちの軌跡を追う」が開催されました。

 国際シンポジウム「東亜同文書院卒業生たちの軌跡を追う」が、
この121日(土)午後、豊橋校舎本館5階の第34会議室で開催され、東京や関西からも含め、80人あまりの参加者があり、盛会でした。
 今回のこのシンポジウムは文部科学省私立大学戦略的基盤形成支援事業によるテーマ「東亜同文書院を軸とした近代日中関係史の新たな構築」の5年目の最終年度事業で、愛知大学創立70周年記念事業の一環としても行われました。

 
 この事業ではこれまで@近代的関係史の再検討A大旅行調査からみる近代中国像B書院の教育と中国研究システムC書院から愛知大学への接合性5研究グループのうちDグループの研究成果として書院卒業生たちの軌跡を明らかにすることにより、ビジネススクールとして発足した書院教育の成果も検証しようとしたものです。
そのための切り口を5人の発表者の方々にお願いしました。

1番目はカナダ・レジャイナ大学のポール・シンクレア氏で、「東亜同文書院による世界初のビジネス言語教育と現代アメリカのビジネス言語教育」というテーマで発表し、書院が作成した中国語テキストの「華語萃編」は、教養主義をベースとしながらも、中国でのビジネス展開に必要な場面展開に応じた多様な内容であり、それを現代アメリカのビジネス言語教育との比較を行うという、刺激的な発表であった。

2番目は本学東亜同文書院大学記念センター研究員の石田卓生氏が「日清貿易研究所、東亜同文書院の教育と卒業生の事例的研究」のテーマにて、高橋正二(研究所卒)、坂本義孝(書院1期)、大内隆雄(書院25期)の軌跡を追い、清国末期やアメリカへの足跡も追い、多くの知見を披露された。

3番目は台湾の中央研究院台湾史研究所の許雪姫氏が「論東亜同文書院台湾学生的人数―兼論陳新座、彭盛木、王庸緒三人不同的際遇」のテーマで、卒業後の3人が折からの日本、国民党、共産党の3つの勢力の中で揺れ動き、親日系、国民党系、共産党系へと異なる軌跡をたどった興味深い人生史を明らかにしてくれた。

4番目は愛知大学名誉教授で、東亜同文書院大学記念センター・フェローの藤田佳久氏が「東亜同文書院・同大学卒業生の軌跡と戦後日本の経済発展」のテーマで、戦後外地から引揚げてきた書院卒業生が、書院で受けたビジネス教育と大調査旅行の経緯をふまえ、しかも上海という国際教育で育まれたコスモポリタン的精神で、戦後の日本経済の高度経済成長をその最前線と基盤で支えたという仮説を論証しようとした。

5番目は表現技術研究所代表で、昭和33年本学経済卒の小川悟氏が「活躍する東亜同文書院大学卒業生」のテーマで、『東亜同文書院大学史』をベースにいかに多くの経済界や社会で多面的に卒業生が活躍したかについて、多くの作成した表を駆使しながら説明された。関連して作成された近衞家や大調査旅行、年表なども示され、多面的に説明していただいた。

各発表については、事実関係の質問が活発に出され、関心の重さがみうけられた。なお、各発表の後、総合討論があり、発表者の補充と会場との質疑が行われた。終了時、寮歌祭をリードしている小川悟氏の指揮により書院「長江の水」、愛大予科「逍遥歌」が歌われた。

そのあと、大学記念館講義室にて、情報交換がなごやかに行われた。今回は川井伸一学長と冨増和彦副学長も出席され、ご挨拶のほか、質問もなされた。